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ただ偽りの唇を奪い
ただ偽りの指に震えて 艷の吐息は夜風に抜ける 繊指が蠢く空の隙 月光貫く石膏の身は とうの昔に寂れて朽ちて 砕けた心が痛みを嘆く 響く甘言うつつの空音 妖艶悲哀のお伽噺は 今ただ時間の塵の中 小鳥が囁く貴方の名前 夜空に瞬く私の名前 亡き日の欠片は今何処 無き日の虚像は今何処 過ぎ来し方は抜け落ち消えて 夜半を告げる鐘が哭く 嗚呼ままならぬは日の光 夢見の世界は千千に砕けて 嗚呼ままならぬは君の声 夢にも聞こえず塵にも見えず 只一度きりここへいらして 死神の鎌の閃く方へ 優しいその手をちぎって捨てて 私のこの手をちぎって付けて 闇の帳をその身に纏い 真白の肢体が夜に舞う 孤独を歌い幸せを奏で 二人が一人踊る錆びた街 ただ偽りの唇を奪い ただ偽りの指に震えて 艷の吐息は夜風に抜ける 繊指が蠢く空の隙 月光の照らす病んだ我が身は とうの昔に継ぎ接ぎだらけ 砕けた命が出会いを嘆く 「僕らはどこですれ違ったの」 ただここにある唇を奪い ただここにある指に震えて 艷の吐息は曙光に褪せる 繊指が食い込む心乃臓 PR |
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