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【2024/05/02 18:08 】 |
レヴリィ
腿の肉と肉が側面で触れ合う
無いようである距離を僕は愛している
鞄を抱えた肘と肘が
僅かな身じろぎでこすれあう
無いようである距離を僕は愛している

胸の上下する気配を感じていても
肺を抜ける空気の音は聞こえない
反射越しの微笑みは見えても
何が君を微笑ませているのか
分からない
その目が僕を見ているのか
ガラスの向こうの夜を見ているのか
分からない
分からないが
君は隣に座っている

君が何者なのか僕は知らない
どんな匂いのする家で
どんな母親の乳を吸って
どんな父親の胸に縋って
どうやって生きてきたのか僕は知らない
好きなものだってよく知らない
欲しいものなんか見当もつかない
どうやって生きてきたのか
例えば君は
例えばどんな女が好きで
どんな女と寄り添って
例えば君は
その女にどんなふうに触れて
その唇をどんなふうに奪ったのか
僕は知らない
知らないけど
僕は隣に座っている
君の隣に

腿の肉と肉が側面で触れ合う
無いようである距離を僕は愛している
これ以上の先は

鞄を抱えた肘と肘が
僅かな身じろぎでこすれあう
無いようである距離を僕は愛している
これ以上の先なんて

君はガラスの向こうで眠っている
そのままの君でまた明日
ガラスの向こうで眠る君
僕はその駅で降りた

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【2017/04/24 00:56 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0)
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