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こんばんは。今しがた帰宅しましたシーナです。結局新しい媒体は探すのがめんどくさくなったので保留です。
ところで、先週の木曜日から日曜日にかけて大学祭がありまして。春に発行した部誌とつい最近発行した部誌を販売してたんですが、めでたく完売と相成りました。ありがとうございやす。それでここに上げる用にひとつ書こうかなとも思ったんですけど、なんか知らんけど死ぬ程忙しくて、そんな場合じゃねぇって感じで、でも暫く更新してなかったしなーとか思いつつ。 そんなわけで、今回はタイトル通り春の部誌に載せていただいた「車軸」っつー題の文章に関して、諸々思い返しながら自己満足に浸る回にしようと思います。本文はここに上げるにはあまりに長いので、「欲しいぞゴルァ」っていう希な人はツイッターの方にでも連絡ください。 では、本題。 ざっくりあらすじを言うなら、「ちょっと根暗なお兄さんが雨に打たれて心折れちゃって、それを通りすがりのじじいがお持ち帰ってマメに世話を焼く心温まるハートフルストーリー」ってな感じです。最後は盛りました。嘘です。それほどほのぼの系じゃないです。 自分が書きたかったことを、くどくどと見せつけることはせずに、しかしインパクト書かにゃならんと思って意識しました。「車軸」で書きたかったのは、「寂しさ」です。だろうな!!って思ってもらえたら最高なんだけどどうだったかしらね。周りに縋るもののない状態っていうのはとても惹かれるというか、身近に感じるというか。どんなに周りに人がいても、ふとそれらの人々と自分の間に透明で、しかししっかりとした厚みを持った空虚を感じた時に、ひとりでいる時よりも強い孤独感を感じる気がします。だからなんか、そういう感じで。 登場人物の名前は主人公が立希、重要人物に未来と名前がついてますが、じじいには名前がありません。じじい自身は立ち位置的に主人公にしか見えない妖精みたいなものなので、しかも本文中では二人以外の会話はないので、別に名前がなくても困らないんすわ。しっかり背景を持った一個人ではなく、あくまでも主人公の空虚に寄り添うひとつの「杖」としてそこにいて欲しかったのです。 立希という名前は、辞書を眺めながら音だけ拾って、後から漢字をつけました。元は「たづき」ですが、意味としては「手がかり、手段」。じじい自身がまだ確固たる支えを見いだせずにいる中で、彼がひとつの手がかりになるように。そして雨に打たれて転がっていた彼自身が自らの足で立ち上がり、何かしらの希望を見いだせるように、と。 未来は、本当にシンプルに「未来を絶たれる」という言葉遊びがしたかっただけみたいなところあります。じじいも立希も、一時的に未来を絶たれた停止の中にいたわけですし。そういう中で過去を振り返ったとき、そこに「未来」が見える、みたいな。 で、その停止とか閉塞とかいうものを表現しようと思った時に、雨音っていうのはめちゃくちゃ便利なのではないか、という結論に至ったわけで。最初は視覚的に「自分の上に降り注ぐ雨」っていうものを考えて、それはそれでとても閉塞感を感じるものではあったのだけど、なんかもうひと押しないかなって気がしてて。それで、雨粒自体は「遮る」ものだけど、雨音は「裂く」ことができるなぁと思って、雨音を裂き、孤独を裂く音があるとしたら、それはつまり、他者の足音ではないか、という結論に。じじいに下駄を履かせたのはそういういきさつがあったからなのでした。 それだから、主人公が孤独を感じてる時には雨が盛大に聞こえる仕様になってます。基本的にじじいといる時はそれほど聞こえてないはず。何か物思いにふけってたり、或いは動揺してじじいから距離をとった時なんかは急に雨が聞こえてきて、周囲と主人公の間に壁を作る。 最後の方でじじいが地味に再開を期待してる節がありますが、あの段階でじじいと立希はほんのり絆を結んでいて、それぞれが何かしらの新たな「未来」を見出しつつある。彼らの寂しさはほんの少しですが解消されたのであり、それを暗示してラストシーンの雨音は抑え気味です。それももうほとんど気にならない、と書いちゃいましたけど。 「雨のピークは夜らしい」という話と「止まない雨はない」という表現はさりげなくセットにしてます。友達と遊んだ後の帰り道って一番寂しさがある時間だと思ってて、しかも主人公は一人暮らし(めっちゃさりげなく描写してあります)だから、寂しさのピークは夜なんです。それでも止まない雨はないと。これは冒頭の末文にある「降り出した夏の雨はそう簡単に止まない」という一文と対応させて、主人公の心境変化を匂わせると。 でもって、着物だの座布団だの少々古風ですが、これも距離感を出すために古風にしてます。ストレスが溜まってかなにか分かりませんけど、現実を見つめすぎて疲れてしまった人に、よく「気分転換に出かけてみろ」って言うじゃないですか。単にそういう感じです。離れたところから見つめ直して、目の前の障害を上手く超えていくっていう、ある種典型的な構図ですけど。 ……満足しました。寝ます。ではまた次回。 PR |
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