幾度となく

貴方の胸に抱かれたいと思った

幾度となく

貴方の背にしがみつきたいと思った

幾度となく

貴方の温もりに包まれたいと思った

幾度となく

貴方を思って涙した

幾度となく

幻想の中で貴方に慰められた

幾度となく

幻想の中で貴方の微笑みに出会った

幾度となく

幻想の中で貴方と二人きりで出掛けた

幾度となく

幻想の中で貴方がついた嘘に傷ついた

幾度となく

希望の光にそっと手を差し延べた

幾度となく

失望の中にそっと息を吐きだした

幾度となく　幾度となく

中途半端に腕を伸ばしてはため息混じりに降ろした

幾度となく　そう幾度となく

途切れないメビウスの輪の上を進みつづけた

あと幾度

回りつづければ気が済むのだろう

あと幾度　あと幾度

繰り返せばこの苦しみは終わるのだろう

あと幾度　そうあと幾度

失望したら希望を持たずにいられるだろう

――答えを知っているのは、運命<メビウス>の輪だけ。

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