× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
![]() |
真ん丸鏡と大理石の牙 頭上の望月に何を吠えようか 闇の濃度を嘆いて見せる? 或いは薄れた愛情をかき集めて レクイエムのひとつも奏でてみせる? それはまるで「人間」のように 街並みの静寂は鋭角 しかしその月は何と言う 突き刺さるような訴えが射抜けば 溢れた涙は甘やかに滴りおちて ねっとりと尾を引く 月の膿が地に満ちる夜に ぼくらを呼ぶのは誰ですか? 細く長く尾を引く その声は警鐘 この小さな囲いの中で どこへ逃げろと言うのだろう ぼくらの武器はあまりにも小さくて その喉は掻き切れそうにないや だから精々月を見上げて 朝日を浴びたぼくらの目が 安堵と恐怖に濡れていくことを祈るよ 戸の鍵は開けておこう 君がやってきた時の為に 要らぬ恐怖にぼくらが目覚めないように そうして一人の夜を明かす 同じ孤独に喘ぐ君を思う 生命の日は昇る ぼくらはこれを幸せと呼んでいいのか いずれ来る終わりを 来たことに気付けるかどうかすら定かでない終わりを ただ待つことは幸せだろうか 半永久に繰り返す悲劇と ひとりずつ旅立っていくぼくら 無限に紡がれる生と死が交錯する時 月はその口を鋭角に開いて ぼくらのすべてを飲み込むでしょう それは本物の終焉? それとも仮初めの転生? 真ん丸鏡と大理石の牙 頭上の望月は何を見るのか 闇の濃度に紛れた哄笑? 或いは薄れた愛情を深く煮詰めて 涙を流してみせる、君の姿? それはまるで「人間」のように 街並みの静寂に潜る その月明かりから逃れるように 突き刺さるような欺瞞を全身に張り付けて 裏地に伝う涙は慟哭を溶かし ねっとりと尾を引く 月の膿が地に満ちる夜に 君たちの名を呼んでもいいですか? 細く長く尾を引く この声は警鐘 この崩れ落ちそうな気配の下で どこへ逃げろと言うのだろう ぼくらの武器はあまりにも鋭利で 思う通りには動かせそうにないや だから精々月を見上げて 朝日を浴びたぼくらの目が 安堵と恐怖に濡れていくことを祈るよ 戸の鍵は開けてあるのだろう ぼくらがやってきた時の為に 要らぬ恐怖にぼくらが悲しまないように そうして一人の夜を明かす いずれにせよ孤独なぼくらを嗤う 生命の日は昇る ぼくらはこれを幸せと呼んでいいのか いずれもたらされる終わりを 血と喪失と孤独であがなわれる終わりを ただ待つことは幸せだろうか 半永久に繰り返す惨劇と ひとりずつ消されていくぼくら 無限に紡がれる昼と夜が交錯する時 神はその口を鋭角に開いて ぼくらのすべてを噛み砕くでしょう それは本物の終焉? それとも仮初めの転生? ああぼくらままならぬ世を 繰り返しては大事なものを失っていく ぼくらまるで「人間」のように 真っ白な心をむき出しにして いつまでこうしていられるのだろう 終わらない転生 終わらない月夜 重なりあう絶叫は、この慟哭は、警鐘 愛していようと 愛されていようと いずれ来る分断の日を嘆くことしかできないぼくら ぼくらがここにいることに いったい誰が気付くというのでしょう この夜に震えるぼくらを 次に「殺す」のは誰なのでしょう ああぼくらままならぬ世を 繰り返しては大事なものを失っていく そう、ぼくらまるで「駒」のように 真っ赤な心をむき出しにして 真っ赤な涙を血糊でぬぐって いつまでこうしていられるのだろう 真ん丸鏡と大理石の牙 頭上の望月から覗くまなざし 平和な街に生きる人々の好奇のまなざし 誰が何かなんて もうどうだっていいのでは? 闇の濃度に掻き消されてしまえばいいのでは? 或いは薄れた愛情を刃に変えて 世界法則など切り裂いてしまえばいいのでは? みんな鋭角に呑まれるのなら 欺瞞の真綿で首を絞めるのなら 月の膿がねっとりと尾を引いて地に落ちた夜に すべてが燃えてしまえばよかったのに 最初の警鐘を聞いたあの夜に すべてが終わってしまえばよかったのに 戸の鍵は開けてあるのだろう 一人の夜に生命の日は昇る 血と喪失と孤独であがなわれる終焉 無限に紡がれる昼と夜の転生 ぼくらを葬る月の街の皆さま 満月の向こう側には どんな世界がありますか? きっと想像もつかない世界が広がってるんでしょう だからぼくらは精々月を見上げて 未来に昇る生命の朝日が ぼくらの目を歓喜で射抜くことを祈るよ 永久の月夜に口づけを交わして 解放の女神に微笑むぼくらを思い描くよ その笑顔は そのまなざしは ――それはまるで、「人間」のように―― PR |
![]() |
![]() |
|
![]() |
忍者ブログ [PR] |